金沢カレーの系譜
都内にも店舗の多い「ゴーゴーカレー」をご存じの方は多いと思いますが、ゴーゴーカレーは“金沢カレー”というジャンルのカレーとしても知られています。金沢カレーの発祥は1960年代にまで遡り、実は長い歴史を持っています。その源流は、金沢市内で人気を博した洋食店のカレーにあり、そこからのれん分けや独立を経て、独自のスタイルが各店で育まれていきました。特徴的なのは、濃厚でドロリとしたルー、千切りキャベツが添えられた盛り付け、そしてステンレスの皿とフォークで提供される独特のスタイルです。時代を経て「チャンカレ」や「ターバンカレー」といった老舗から、「ゴーゴーカレー」のような全国展開を果たしたチェーンまで、さまざまなお店が金沢カレー文化を広げてきました。現在では石川県内にとどまらず全国で親しまれ、その系譜をたどると金沢の食文化がいかに人々の工夫と熱意によって形づくられてきたかが見えてきます。

